専攻分野 : フランス文学、ことにバルザック

 バルザックは1799年に生まれ、1850年に世を去りました。革命と擾乱の十九世紀前半を生きた作家でした。『人間喜劇』という総題のついた89篇の膨大な小説群を作り、そこでブルジョワジーが勃興する一方、貴族が衰退してゆく時代の、人間のありようを、様々なドラマをとおして描出しました。バルザックの小説の中心に君臨するのは情熱です。少し忍耐して長い小説の書き出しを終えると、情熱のドラマのしかけが不意に次々に動き始めます。もうそうなると本が手放せません。こんなにおもしろく、しかもため息がでるほど深い小説を読み落としていたなんて、これまで何か損をしていた気がする、と、きっと思えます。 

 

ピカソによるバルザックの肖像

ロダンのバルザック

 著作・論文  (新しいものから順に/1994年1月以前の論文はテキストデータがありません) 
  
  セザンヌと『知られざる傑作』 (三元社、2024年8月)

   翻訳『無神論のミサ』 流通経済大学法学部『流経法学』第十九第1号2019年9月)

  『無神論者のミサ』に見るバルザックの哲学、宗教、政治思想 (流通経済大学法学部『流経法学』第十九第1号2019年9月)
     翻訳 『植民地化の歴史』 (マルク・フェロー著・共訳:第5章以下255〜563頁の308頁・新評論2017年3月)
   バルザックの非宗教的宗教とレアリスム(流通経済大学法学部『流経法学』第十六巻第2号2017年2月)
    翻訳 『家庭の平和』 (バルザック 愛の葛藤・夢魔 小説選集D・水声社2015年12月)
  セザンヌと『知られざる傑作』(X)(流通経済大学法学部『流経法学』第十三巻第2号2014年3月)
    セザンヌと『知られざる傑作』(W)(流通経済大学法学部『流経法学』第十二巻第1号2012年9月)
  セザンヌと『知られざる傑作』(V)(流通経済大学法学部『流経法学』第十一巻第2号2012年1月)
  翻訳 『柘榴屋敷』 (バルザック 芸術・狂気小説選集@絵画と狂気篇−第6話・水声社2010年5月)
   『柘榴屋敷』解説(流通経済大学法学部『流経法学』第八巻第2号2008年12月)
  映画『ざくろ屋敷』と『人間喜劇』(流通経済大学法学部『流経法学』第七巻第2号2007年12月)
  バルザックの時代の1フラン  (流通経済大学法学部『流経法学』第五巻第1号2005年6月
  セザンヌと『知られざる傑作』(U)(流通経済大学法学部『流経法学』第四巻第2号2004年12月
  セザンヌと『知られざる傑作』(T)(流通経済大学法学部『流経法学』第三巻第2号2004年3月
  バルザックとカトリック教(「流通経済大学法学部創設記念論集」2002年10月)
  不倫の恋(『バルザックを読むU―評論篇―』に収録、藤原書店2002年5月)
  バルザックの復権(流通経済大学法学部『流経法学』第一巻第1号2002年3月) 
  バルザック「人間喜劇」セレクション 別巻1 バルザック「人間喜劇」ハンドブック(共著・藤原書店2000年5月)
  バルザック「人間喜劇」セレクション 別巻2 バルザック「人間喜劇」全作品あらすじ(共著・藤原書店1999年5月)
   バルザックの出発(『ユリイカ』「特集バルザックの世界」に収録、青土社1994年12月)
  『無神論者のミサ』について―バルザックの宗教と政治思想(青山文学論集第2号1994年1月)
  バルザックの小説様式における一考察(U)(青山フランス文学論集第1号1992年11月)
  バルザックの小説様式における一考察(T)(青山文学語学研究第4号1991年3月)
  『結婚の生理学』におけるバルザックの政治と文学の問題(城西大学 城西人文研究第16巻2号1988年)
  バルザックの小説の提示部について(城西大学 城西人文研究第14号1987年)
   『ゴプセック』論―バルザックにおけるブルジョワ的なものの変質(青山学院大学文学部紀要第27号1985年)
 教科書
  初級フランス文法『エクロジヨン』(共著)(駿河台出版社1996年4月)
  『21のシャンソンの名曲とともに』(2000年4月)