リヨン (2010年)
リヨンはローヌ河とソーヌ川に挟まれた指先のような地を中心に発達した町で、市域の人口ではマルセイユに及ばないものの、都市圏としてはパリに次ぐフランス第2の都会であり、ローマ帝国の時代はガリアの首都でもあった。古くから織物の町としても有名で、西陣のある京都と姉妹都市関係を結んでいる。
旧市街の中心にある、サン・ジャン教会
旧市街を見下ろす丘の上には、もう一つの有名な教会ノートル・ダムがある。大変豪華な教会で、内陣はすべてモザイクで装飾されている。
新市街の中心にある市庁舎前広場とオペラ座
左はローヌ河、右はソーヌ川
リヨンは美食の町としても有名である。ヌーベル・キュイジンヌを創始したポール・ボキューズはじめ、著名な料理人がいる。しかし、名前は知っていても、一般人にはその料理を知ることは難しい。お金もかかるが、3星クラスには特別な空気があるからだ。そこで食事をするためには、最低限、料理の知識と、説明を理解し注文するための語学力が必要であり、さらに覚悟もいる。そもそも旅行者の汚い格好ではとても入ることができない。どの国においても、超高級レストランは一種の上級「文化」であり、食事をするとはその異文化の中にひととき入れてもらう緊張感に耐えることでもある。カネを払っても「俺様」にはなれない。主(あるじ)は、つまり文化の主体はあくまで向こうだからである。カネも決意もない私には一生縁がないだろうと思う。それでも、たぶん彼らのおかげで、リヨンのレストランは、全体の水準が高い気がした。お腹が空いたところでたまたま入ったレストランの料理も、他の町より明らかに洗練されており、おいしかった。上の写真は、ランチメニューのアントレである。