プロヴァンスのブドウ畑 (2010年)

 フランスは全土にブドウ畑があって、それぞれの土地に優れたカーブ(醸造元)があり、銘酒があり、うまい酒の探求を始めたら、生涯それにのめり込むことができるだろ。サンテ・ミリオン村やマルゴー村のあるボルドー一帯、ロマネ・コンティなど超高級ワインのあるブルゴーニュ、その名がそのまま酒の名であるシャンパーニュ、またロワールにもローヌにも美酒があろう。だが、残念ながら、私はろくに酒が飲めず、ワインについて語る資格がない。これらの土地を訪れながら、一本のワインも買ったことがない。しかし、景色についてならば多少のことは言えると思う。私の見た限り、フランスで最も美しいブドウ畑は、プロヴァンスである。ことにヴァントゥー山の南麓に広がるヴォークリューズのブドウ畑は美しい。

 ブドウの木の種類によって畑の様相が異なる。一枚目の写真の木は黒っぽい樹皮で枝を横にはっている。この写真の木は明るい茶色であまり枝を横に張らない。

 プロヴァンスには、小さな丘があちこちにあって、村はたいていその上に作られている。その点ではイタリアによく似ている。