エズの教会テラスから見下ろすコート・ダジュール (2010年)

 エズは、標高427メールの高さに築かれた村で、眼下に地中海を一望できる。イタリアや南フランスでは、町が小高い丘の上に載っているのをよく見かけるが、ことにコート・ダジュールのこのような村を「鷹ノ巣村 le nid d'aigle」といい、サン・ポール・ドゥ・ヴァンスとこのエズが代表格である。しかし、海を足下に見下ろすことができるのは、このエズだけで、他は海岸から少し距離があるために、このようなダイナミックな眺望は得られない。私はエズに着くとすぐにこの眺望を求めて、小さな村を歩きまわった。しかし、建物に囲まれた通りをぐるぐる回るだけで、眺望の得られるところには、必ずホテルかレストランが建っていて望見をブロックしていた。それでも、最終的に教会の墓地の端に行き着いたが、ここは高い鉄柵でぐるりを囲み、しかも鉄柵と墓地との間には満足なスペースもない。自由な遠見が許される場所とはなっていないのである。上の写真は、しかたなく鉄柵の間にカメラのレンズを入れて撮影したものである。また、下の写真は、有料の小さな植物園に入って撮ったもので、多くの観光客は、植物を見るためではなく、景色を見るためにこの植物園に入らなければならない。入園料は足元を見て高い。なんだかなー・・・

町にある唯一のテラス(下左)は、海側でなく山側を向いている。ここからの眺めではエズに来た意味がない。

 丘の頂にある教会。この西側に墓地がある。

 エズを国道から眺めた。教会は岩の陰になって見えない。

 エズから国道を眺めた。この国道のドライブは気持ちがいい。