カマルグの湿地に生える赤茶色の草 (2010年)
地図でカマルグを見ると、あちこちに池塘が散在し、汽水湖には小さな島がたくさんあって、どんなに美しいところだろう、と夢を膨らませてしまう。しかし、現地に行ってみると、ただただ平らで、あちこちに水のある草原が広がっているばかりである。そう、カマルグの美しさは、多分、空からでなければ分からないのである。もしここに一か所、はるか遠くまで見渡せる高台があったなら、その眺めは何とも言えないだろう。しかし、ローヌ河の運ぶ土砂がたまってできた堆積平野には、そんなものはない。
カマルグといえば「白い馬」であるが、真っ白な馬は一頭も見つけられなかった。みな灰色をしている。