ロカマドゥールへの途上、不意にこの城館が目に飛び込んできた。すごいところに建てたものである。ただ、ミシュランのガイドブックには、とりたててこの城館についての説明がない。ということは、さして歴史も由緒もないのだろう。しかし、やはりこれは、たとえ物好きな金持ちが建てた比較的新しい建物でも、感動ものである。その証拠に、ミシュランも、写真だけは中表紙に載せている。
写真だと、残念ながら迫力までは再現されないが、近づいて見上げると大変な高さがある。
この辺り一帯は、有名なフォワグラの産地である。また、めったに口にすることのできないトゥリュフ(黒いカリフラワーのようなキノコ)も取れる。いわば、食通あこがれの地である。私も、おみやげに、フォワグラ30%のテリーヌ(パンに塗って食べるペーストみたいなもの)を10個ほど買った。50%も、70%も、ほぼまるごともあるが、支払い能力のほうがなかった。帰国して、一個自宅でも空けたが、十分おいしかった。
写真は、城館を見上げるすばらしいロケーションの農場で飼われていた鴨 canard である。最高級のフォワグラはガチョウ oie らしいが、一般には鴨のフォワグラが売られている。