デフォンス、アルシュ (2005年)

 パリの新都心デフォンスを代表する建物は、言うまでもなく、このアルシュ(アーチという意味)である。高さが105mあり、この中に様々なオフィスが入っている。日本の国土交通省に近い役所(運輸・装備・観光・海洋省−Ministere des Transports, de l'Equipement, du Tourisme et de la Mer)や人権国際基金(Fondation internationale des droits de l'homme)もこの中にある、と案内書にある。

 アルシュは、ルーヴルの中庭のカルーゼル凱旋門、シャルル・ドゴール・エトワルのあの凱旋門と一直線になるように建てられている。

 都市を設計する際、フランス人は、まず、その都市において重要な機能ないしは象徴性を発揮する大建造物を、どこに配置するかから考えるのだそうである。つぎに、その建造物をアヴニュ(大通り)で直線に結び、その後、それを取り巻くようにリュウ(路)を配して周囲の町並みを整えてゆく。そうすると、あちこちに放射状の路と、その中心となる建造物、という構造が成立する。中国式の碁盤の目状に町並みを作るやり方とはまったく異なる。ただ一人の皇帝のために考えられる都市と、王が絶対的な権力持ったときもあったとはいえ、長い歴史のスパンで見れば、権力が分立していた西欧との相違なのかもしれない。

 広い階段は公園のベンチ同様で、ビジネスマンも恋人たちも、歓談しながら、遠くパリの凱旋門の方を眺めている。

 デフォンスは、近代ビルの見本市みたいなところ

 フランスを代表する石油会社トータルの社屋

 遠くに凱旋門が見える

 デフォンスの路上でこんな消火栓を見つけた