ミラボー橋の下をセーヌ河が流れ
われらの恋が流れる
わたしは思い出す
悩みのあとには楽しみが来ると
日も暮れよ、鐘も鳴れ
月日は流れ、わたしは残る
・・・・・・・
日が去り、月がゆき
過ぎた時も
昔の恋も 二度とまた帰って来ない
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる
日も暮れよ、鐘も鳴れ
月日は流れ、わたしは残る
(堀口大学訳)
アポリネールの詩で有名なミラボー橋に行ってみたい、と、この詩が気に入った人なら、誰もが思うことである。(上の引用は中間部を省略している) そして、行ってみると、ロマンチズムのかけらも見当たらない、単なる「橋」であることにがっかりする。もっとも、下を通る船から眺め上げると上下流側それぞれに二体ずつ彫像がつけられて、もう少し趣があるらしいが。