植物園の前庭 (2010年)

 庭園の奥に見えるのは、近年作られた「進化の大回廊 Grande Galerie de l'évolution」と名付けられた、原初生物から人類に至る進化の歴史を実物大模型を並べることで再現している施設である。小動物から恐竜のような超大型動物まで、みな精巧に作られていて、大変人気があり、ミシュランのパリガイドでも三ツ星を獲得している。本来の植物園は、この庭の右手にあって、入口も質素である。したがって、この庭はいまや「進化の大回廊の前庭」になっているが、歴史を重んじて、やはり植物園の前庭としておこう。

 庭園にはフランスの博物学を代表する学者の彫像もおかれている。いまやわれわれは博物学といえば、『進化論』のダーウィンしか思い浮かべないが、そこに至る道筋をつけた者の中にはビュフォン、ラマルク、ジョフロワ・サンチレールといったフランス人がいる。下の写真は、その最初の大博物学者ビュフォンの彫像である。