1997年の有料トイレと2010年の無料トイレ

 ヨーロッパに旅行に行って困ることは、簡単に利用できる清潔なトイレが極めて少ないことである。このトイレも、誰でも利用できそうで、実際には利用しづらい。そもそも出入りが目立ちすぎて、男の私でも恥ずかしさを覚える(一人しか使えない)。ただし、清潔さは確保されていそうである。使用後、個室全体に全自動で温水!シャワーを浴びせ洗浄、乾燥するからである。

 1997年の時点で(左)、このトイレは有料だった。私は一度も利用しなかったし、人が利用するのを見たこともなかった。2010年(右)、トイレは無料に変わっていた。トイレの前で人が並んでいるのをたびたび見かけた。ようやくフランスも心を入れ替えたか、と嬉しかった。だが、いざ使おうとしたら、頻繁に故障しているのには閉口した。繁華街の誰も待っていないトイレは、機能停止・使用不可、と思っていいかもしれない。なるほど大仕掛けで見事な自動洗浄機能だが、ちょっとオバカかなー、と思う。フランス人ほどのインテリジェンスがあれば、ずっと低予算で、数人が一度に使える、清潔で、機能的で、経済的な(ランニングコストの安い)トイレができそうな気がするが…。(皮肉を込めて)