アンバリッド(廃兵院) (1997年)

 ルイ14世によって建てられ、かつて古参兵や傷痍軍人の宿舎として使われた。そこからこの名前が由来している。現在、東側(右)が陸軍博物館、その奥に陸軍病院、中央建物奥のドームが教会となっており、ナポレオンの棺が納められている。

 写真13のちょうど反対側からのドーム(聖ルイ教会) (1997年)

 ここは、パリに上って来たフランス人観光客が、最もよく訪れる場所の一つといわれる。やはり、ナポレオンは、フランスの史上最高のヒーローなのである。私も70年代末頃、ナポレオンに関する本を読み漁ったことがある。いつしかマイ・ブームは去って、それ以後出版された本には興味を失ったが、朝から晩まで読んでいた頃の名残りは、本棚に歴然と残っている。外国人でもわくわくしたのだから、フランス人が興奮しないはずはない。

 ドームの下には、ナポレオンの棺だけがあるのではない。円形回廊の外に何人かの元帥、下の階にナポレオンの一粒種で早世したローマ王の棺もある。

 ナポレオンの棺 (1997年)