パリで最も美しい橋、アレクサンドル3世橋、と、奥に屋根だけ見えるグラン・パレ (1997年)

 アレクサンドル3世橋も、1900年のパリ万国博覧会のときに作られた。万博は、機械文明に対する無条件で無邪気な信頼が人々の心を満たしていた19世紀末から20世紀初めにかけて、パリとロンドンを中心にいくども開催された。娯楽の少なかった時代、それは一般市民にとって最大のイベントとなった。パリには万博の遺産が数多くある。筆頭は、エッフェル塔であり、1889年の万博のとき建てられた。万博の夢、科学の夢、機械文明の夢が消し飛ぶのは、第一次世界大戦によってである。

 グラン・パレ側からみたアレクサンドル3世橋。奥にアンヴァリッドが見える。 (2010年)