ワインで有名なボルドーの北郊でガロンヌ河と合流するドルドーニュ川は、南仏版ロワール河のようなところである。川沿いにいくつもの城がある。ロワールの谷に城館を構えているのは、たいていパリにも屋敷を持つ格式高い王侯貴族で、おのずと洗練された趣味は城の建築にも反映している。それに対して、ドルドーニュの谷の城館は、たいてい地元の田舎貴族のもので、よくいえば素朴、ありていにいえば繊細さに欠ける。ことに庭園がないか、あってもほとんど手が懸かっていない。しかし、ちょっとくずれている、といのは、親しみを感じさせるものである。ロワールの谷とは別の味わいがある。

 ドルドーニュ川には同じスタイルの石橋が何本も架かっている。下の写真はそれぞれ別の橋である。

 こちらは橋の上から撮った写真である。柳がとても美しかったので、車の速度を歩くくらいに落として、同乗者(妻)に撮ってもらった。交通量が少ないので、止まることもできたかもしれない。

 丘の上から眺めたドルドーニュ谷の景色。芽吹いたばかりの緑が美しい。

 ドルドーニュ川に合流する小さな川のすぐ脇に建てられた家。年中水量が一定しているからだろう。日本人から見れば、あまりに無防備な気がしてしまう。

 ドルドーニュ川に平行して運河も掘られていた。フランスは運河の大変発達した国で、大きな河川はほとんど運河で結ばれている。船で内陸旅行ができるといわれている。