エドワード・バーン=ジョーンズ 『聖杯を見い出したトリスタン、ガラハット、ボールス』より    

 

                   西欧文化圏の誕生とアーサー王物語

 世界中の人に親しまれ、さまざまなファンタジーや冒険映画またゲームに、強い影響を与えているアーサー王と円卓の騎士の物語、この物語の中には、イギリスばかりか紀元前のヨーロッパの歴史、ケルト人やローマ人、ゲルマン人の神話や伝説や世界観、中世キリスト教の倫理観や美学、また神秘主義など、さまざまな要素が溶け込んでいます。それはなぜなのか、西欧諸民族の移動と混合の歴史をたどりながらその原因を探るとともに、中世以降、多様でありながらもある共通した一つの精神的有機体を持つ西欧の、文化的特色と起源について、歴史と物語をとおして一緒に考えてみたいと思います。

 

    概 要

 1.  ケルト人

 2. ケルト人とローマ人

 3. ケルトとローマの融合 @ カエサルのガリア征服

 4. ケルトとローマの融合 A クラウディウス帝のブリタニア征服

 5.  ケルトとローマとゲルマンの融合 @ ローマ帝国とゲルマニア

 6.  ケルトとローマとゲルマンの融合 A ゲルマン民族大移動とローマ帝国の終焉

 7.    ケルトとローマとゲルマンの融合 B ゲルマン人の西欧征服と中世の誕生

 8.    ブリタニアへのゲルマン人(アングル・サクソン)侵入とブリトン人の抵抗、そして英雄アーサー

 9.  ケルトとローマとゲルマンの融合 C ブリタニア7王国と大陸フランク王国

10.  北方のゲルマン人=ノルマン(ノルウェイ・デーン・スウェーデンヴァイキング)の活動

11.  ケルト・ローマ・ゲルマンとノルマンの融合 @ ノルマンの南下と侵略

12.  ケルト・ローマ・ゲルマンとノルマンの融合 A ノルマンのノルマンディ公国成立とイングランド征服、そしてシチリア征服

13.  ノルマンの活動の終息による西欧の原型成立とアーサー王物語群の誕生

14.    アーサー王物語とケルト、ローマ、ゲルマン

15. アーサー王物語とキリスト教