ボージャンシーは11世紀に城砦が造られた古い町で、今も当時の塔が残っている。また、ロワール河にかかる重要な橋の一本がある。

 ボージャンシーの中心街、といってもごく小さな町で、レストランとホテルが数件あるだけである。

 ボージャンシーの小教会。

 教会の背面の、庭というにはあまりに簡素で小さな開放空間は、特別な雰囲気を持っていた。華やかさを一切そぎ落としたようなこの造作は、日本の禅寺の石庭や現代彫刻を思わせる。田舎の名もない教会にヨーロッパではきわめてまれな独特の美的センスを発見した気分だった。